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世界一周旅行(過去編)・第五章・8日目(ヴェリコ・タルノヴォ~ソフィア~ロンドン~オックスフォード) [世界一周旅行]

昨年夏の世界一周旅行(欧州編)、ブルガリアを離れ、今度はイギリスへ。

2005年8月11日(木)

今日はヴェリコ・タルノヴォからソフィアに移動するだけなので、実質的にブルガリア観光はもう終わってしまった。わずか数日の滞在であったが、時間がないなりにブルガリアを満喫できたように思う。


(左)中世的な街並みは本当に美しい。
(中)欧州各地への距離を示した案内標識。
(右)サンドイッチとミネラルウォーターで簡単な朝食。ミネラルうウォーターは炭酸入りが好きで、滞在中はいつもガス入りの水を飲んでいたが、日本ではほとんど見かけないのが残念。ペリエは高いしなぁ…

(中)朝8時過ぎ、ソフィア行きのバスに乗り込む。ソフィアまでは3時間余り。
(右)ヴェリコ・タルノヴォは首都ソフィアと黒海沿岸を結ぶ幹線道路上にあり、ソフィアと黒海沿いのヴァルナのほぼ中間地点。

昼前にソフィア到着。民俗博物館を見学し、特産のバラ油などを買い求め、空港へと急ぐ。行きと同じく、BAでロンドンへのフライトだ。

空港は欧州各地への出発便が重なり、かなり混雑していた。

(左)ソフィア空港のラウンジ。
(右)BAのロンドン~ソフィア便はロンドンで往復の機内食を搭載してくるらしく、今日はロンドンの機内食業者がストを起こしたため、ソフィアからの便でも機内食が出せないという。代わりに、サンドイッチなどが入った袋が乗客に配られた。この時点では、「機内食業者がストなんてイギリスらしいなー。まったく、しょうがないな…」と軽口のひとつも叩く余裕があったのだが…


(左)14:45発、BA891便ロンドン・ヒースロー空港行きに搭乗。行きと同じくロンドンまでは3時間余りのフライト、となるはずであった…
(右)順調に飛行を続け、間もなく到着だ。眼下にはテムズ川とロンドンの中心部がよく見えた。

(左)ロンドンのハイド・パークを眼下に、飛行機はヒースロー空港に向けて徐々に高度を下げていく。
(右)英国時間の16時ごろ、ロンドン・ヒースロー空港に着陸。

飛行機は滑走路から誘導路に入り、ターミナルに向けて進み始めた。

…と思ったら誘導路の横で止まってしまった。すると機長からアナウンス。

「機内食会社に同調して今度はヒースロー空港の一部の職員もストを起こしてしまい、機材をターミナルに誘導してボーディングブリッジに横付けしたり、荷物のハンドリングができなくなってしまったとの連絡が入っており、当面このまま待機することになりました」

…イギリスってのは本当にストライキが好きな国だ。鉄道やバスのストは日常茶飯事だし、数年前には消防士までストを起こしてしまい、軍が代わりに消火活動にあたったこともあった。

事の顛末は、経営難の機内食会社、「ゲートグルメ」がリストラのために従業員の一部を解雇した。まず、それに抗議してゲートグルメの残りの職員がストを起こし、機内食の提供が出来なくなったことに端を発する。

ソフィア出発時点ではこんな状況だった。まあ、これならば機内食が出ないだけで飛行機は予定通り運航される。

しかし、ロンドンに向かっている間に今度は、ヒースロー空港のBAの一部職員が、解雇された機内食会社の職員に同情してこちらまで勝手にストを起こしてしまった。いわゆる山猫ストというやつで、ある意味、イギリス名物とも言える。

これじゃあ空港の機能は完全にマヒしてしまったな、と思って窓の外を見ると、普段と同じように離着陸が繰り返されている。ただ一つ、いつもと違うのはその中にBAの飛行機が一機もないこと。腹の立つことに、ストを起こした機内食会社に同調して山猫ストを起こしたのはBAの運航を担当する職員だけで、他の航空会社には何の影響もなかったのだ。誘導路上で足止めを食った機内から、他のエアラインが離陸していく姿を何十回眺めたことか。

今日はこれから、長年の親友で、英国に留学中のしょちょうの家に泊まるため、オックスフォードへ向かう予定になっている。彼の家に着けるのはいったい何時になるのだろう。

1時間ほどしてようやく飛行機が動き出した。よかった…

しかし、ターミナルではなく全く別の方向に向かっている。10分近く移動して、空港のはずれにある駐機場で止まった。いつまでも誘導路で待機していても事態が好転する兆しがなく、他の飛行機の邪魔になるために移動したようだ。こりゃ長期戦になりそうだ。

2時間、3時間…ついに着陸してからの時間がフライト時間を上回ってしまった。日の長い夏のイギリスでも外はもう暗くなってきている。

4時間近く経った午後8時前、ついにタラップとバスがやって来た。ボーディングブリッジは職員がストライキしてしまっているので使えない。このままではラチがあかないので、空港当局に助けを求め、とりあえず乗客をバスでターミナルまで移動させるようだ。

(左)飛行機の窓から見たヒースロー空港。この景色は数時間動かなかった。
(右)混乱の極致にあった手荷物受け取り所。

 ターミナルにたどり着き、入国審査を済ませてバゲージクレームへ行くと今度は荷物のターンテーブルが動いていない。そう、荷物をハンドリングする職員もストライキ中なのだ。たくさん飛行機に乗ってきたが、ロストバゲージはこれが初めて。あぁ~、着替えから何から一切、預けた荷物の中だ。

仕方ないので紛失証明をもらうためにBAのカウンターの長蛇の列に並んだが、周りはみな疲れ切った表情をしていて、中には声を荒げて職員に詰め寄る乗客も。すると、「あたしが悪いんじゃないわよ!」とBAの職員も逆ギレ。混乱する現場を抜け、空港内のバスターミナルにたどり着いたのは、着陸してから5時間以上も経過していた。もういい加減にしてくれ…

こうして着の身着のまま、空港からバスに乗り、オックスフォードのしょちょう宅に着いたのは、深夜、もう少しで日付が変わるころであった。

続く


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Tomo

ああ、これがイギリスなんですね。どんな目に遭わせてくれるのか今から楽しみにしておきます。(Blogネタのためにと思って乗り切ります。)
ところでブルガリアは素朴で良さそうですね。機会があったら行ってみたいと思いました。ブルガリア人と友達になりたいけど、いまのところいないようです。
by Tomo (2006-10-03 00:30) 

ちくりん

Tomoさん
そうですねぇ、イギリスは万事がこんな感じ、というとちょっと大げさですが、毎日のように「日本だったらこんなことは…」と感じるような出来事があるかと思います。
ブルガリア、イギリス滞在中にぜひとも行ってみてください。また、割とイギリスにもブルガリア人がいると思うので、知り合う機会があるかもしれませんね。
by ちくりん (2006-10-04 01:03) 

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